knowledge
[HOME] [MAIN] [Search] [RSS] [HOW TO]
  • これまでのデータファイルと互換性はありません。
  • 公序良俗に反するような書き込みはご遠慮願います。
  • 現在 31 件登録されています。


  •  ■ [民法] 預金・株式を担保にするには (よきん) 2016年08月25日(Thu) 12:04 - No.30

    • 存在しているさまざまな預金のうち、定期預金は担保という取り扱いになっています。
      これは、質権設定の内容に基づいています。
      株式については、株券を発行しない上場企業株式の電子化が平成21年1月5日から始まり、取得するための方法が完全に変更されました。
      略式質や登録質といった質権設定・略式譲渡担保・登録譲渡担保の3つの方法のどれかによって扱われています。

      1.預金担保の取得方法および注意点
      (1)預金担保を取得する方法

      預金担保差入証を用いた質件の設定に、金融機関(=質権者)と預金者(=質権設定者)が合意する事で成立します。
      預金は指名債権に該当するため、第三者に対する質権設定の主張が可能な対抗要件は、質権を設定を質権と質権設定者が合意した旨指名債権債務者である第三債務者への通知もしくは承諾を必要とします。
      通知もしくは承諾について、確定した日付が記されている書面がない場合は第三者への対抗が不可能になります。

      定期預金の債務者は、金融機関となります。
      この場合、すでに金融機関が質権の設定を認めているため必要ありません。

      自行預金の場合、金融機関による質権の行使がなくても、相殺によって融資金を回収する事が可能です。
      預金の差し押さえがあった場合も、相殺によって対抗が可能です。
      そのため、原則として実務のうえでは預金担保差入証に確定した日付を求めるといった事を省いています。

      債務者ではない第三者によって担保の提供がなされた場合、連帯保証人でないと債権および債務が対立しなくなります。
      相殺での対抗が不可能になり質権を実行をもって対抗する事になるため、確定した日付が必要になります。
      (2)預金担保を取得する時の注意点

      預金を質入れする事は、預金を解約する事と同じ意味合いになります。
      本当に預金している人と契約を行わなければいけないため、以下の点を確認します。

      ・預金を質入れする事は、預金の払い戻しの際に預金の質入れは取引約款および預金の準占有者への弁済によって払い戻しが免除となる場合でも、これら規定の適用範囲外となります。

      ・必ず預金している人に確認しなければいけません。

      ・担保を差し入れる意思があるか確認しなければいけません。
      また、目の前で預金担保差入証に署名してもらう事と、預金証書を占有する事を忘れてはいけません。

      2.株式担保を取得する方法と注意点
      (1)上場企業株式が発券ではなく電子化された事について

      上場企業の株式においては、「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」(株式等決済合理化法)が平成16年6月9日に交付され、平成21年1月5日から全面的に施行されました。
      これによって株券は電子化(=株券不発行)となりました。
      証券会社などの金融機関を経由し、(株)証券保管振替機構へ株主の権利を預託する手続きを済ませる事で、証券口座により電子的な管理が行われる事となりました。
      株式担保を取得する際は、この手続きを終えている事を確認しなければいけません。
      (2)株式担保を取得する方法

      株式担保として電子化株券を取得するためには、質権・譲渡担保の2通りの方法があります。
      どちらの場合でも、質権者・質権設定者双方の合意もしくは譲渡担保権者・譲渡担保権設定者による合意を得なければいけません。

      ・質権を設定する場合
      株券が発行されない株式である場合、質権者の氏名もしくは名称・住所を発行会社が有する株式名簿に記載します。
      記載しない場合は別の第三者への対抗が不可能となるため、手続きを行います。
      株式電子化により、質権を設定した人が振り替え申請を証券保管振替機構に行う事で、該当する質入れに関係した数の増加を質権者が自身の口座に設けられた質権欄に記載または記録される事によって効果が生じます。

      ・譲渡担保の場合
      株券が発行されない株式である場合、株式取得者の氏名もしくは名称・住所を発行株式会社が有する株主名簿に記載・記録します。
      記載・記録をしないと株式会社や別の第三者への抵抗が不可能となるため、手続きを行います。
      株式電子化により、譲渡担保権を設定した人が振り替え申請を証券保管振替機構に行う事で、該当する譲渡に関係した数の増加を譲渡担保権者が自身の口座に設けられた保有欄に記載または記録される事によって効果が発生します。

      質権と譲渡担保、どちらの取得方法でも振替口座簿への記載または記録される事で株式の権利帰属が決まります。
      (3)質権と譲渡担保の優劣関係について

      担保として取得した株式の処分を行う場合、譲渡担保については質権者の意思で処分可能ですが、質権は競売の手続きにより行われます。
      ところが、このケースでも流質契約もしくは任意で処分する事ができる特別な契約をしておく事で、競売手続きをしなくても処分可能です。
      原則として質権の流質契約は禁じられており、銀行が担保として取得する場合は商法515条の適用対象外となります。
      この事から、ほぼ優劣の差がないといえます。
      (4)その他の注意点

      担保として取得した株式は、企業がもつ業績および市場人気によって相場が変わります。
      そのため、株式市場の動向に注目しつつ適したタイミングで評価替えを行い、掛目が不足しないよう管理しなければいけません。
      掛目が不足した場合は、担保差し入れの追加なども検討します。
      株式電子化に伴い株式を担保として取得する方法が完全に変わったため、内部手続きをよく把握したうえで正しく事務処理を行えるようにしておく事が重要です。
      - 123さん [2016年08月25日(Thu) 12:04]
    • http://xn--t8jxck8jdg0077c95xfz5ra5rb.com/financing/archives/89 - 123さん [2016年08月25日(Thu) 12:05]
    追加情報
    Name
    color

     ■ 項目表示形式
    [ 新着・更新 / 全件 ]
    ジャンル [ 区画整理 / 建築確認 / 戸籍法 / 国民健康保険 / 裁判所 / 住宅ローン / 譲渡所得 / 税金 / 相続 / 年金 / 不動産 / 保険 / 法律 / 民法 / 郵便 ]
    英数 [ ABC / DEF / GHI / JKL / MNO / PQR / STU / VWX / YZ1 ]
    かな [ あ行 / か行 / さ行 / た行 / な行 / は行 / ま行 / や行 / ら行 / わ行・ん ]

    新規用語登録
     登録者名
     項目名
     よみがな
     情報/コメント
    ジャンル 新規ジャンルの追加
    文字色 パスワード

    - 登録項目を修正削除することができます -
    記事No 暗証キー

    - 辞典CGI 3.11. -